羊だって、変るんです。
恋とはこんなに大変なものかと何度も思った。

何とも思わなかった事が、急に途轍もなく恥ずかしく感じたり、嬉しくなったり、苦しくなったり、本当に心臓が忙しい。

今は凱の顔を見ることすら出来ず、黙々と目の前の昼食を平らげるが、味が良く分からない。
機械的に口に運び、咀嚼する・・・。

沈黙の中時間だけが進んで行く事にも気付けない。

『あれ?・・私何してたんだっけ』

ずっと俯いて周りから意識を遮断して食べていた所為で、今の状況が分からなくなる。

恐る恐る顔を上げて現状を確認すると、コーヒーを飲む凱の姿があった。

『!?・・・無言で放置してた!?』

血の気が引くのが分かる。
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