羊だって、変るんです。
「お腹空いてたんだね」

ふわりと笑った凱を見て一瞬ホッとしたが、慌てて訂正する。

「え・・あ・・ちが・・」

確かに腹は空いていたが、何も話さなかったはその所為ではない。

「こ、恋人って思ったら、な、何か・・緊張して・・」

感情が高ぶって涙が出そうになり、上手く話すことが出来ない。

「嬉しいよ。意識してくれてるんだと思うと」

「もう、意識しまくりだよ。今までどうしてたか全然分かんない!」

火照る顔を両手で隠しながら捲くし立てるように話す杏奈の横には、何時の間に来たのか凱が座っていた。
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