羊だって、変るんです。
『あぁ何かこう言うんじゃないのか・・・難しいなぁ』

山葉の反応にも全く気付かずに自分の世界に入り込んでいる杏奈は、色々な緊張の解し方を考えているが、決め手となるものが無いまま、時間だけが過ぎた。




「そろそろ、料理も食べろよ」

「!?」

その一言で自分の世界に入りきっていた事に気付く。

あれからどれ位経ったのだろうとスマホを見ると、30分近くこの状態だった事がわかる。

「すみません。折角のお料理を頂いてなくて」

慌てて、残っていた料理に手を付ける。

覚めてしまっても美味しいものは美味しい。

考え事は一先ず頭の隅に押しやり、料理を堪能する事にした杏奈を、楽しそうに眺める山葉の視線に気付く。
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