羊だって、変るんです。

「ちょっと損してたかも」

顔を上げて、照れたように笑う。

「これから損した分取り戻したらいいよ」

「聞いてくれてありがと!」

急に恥ずかしくなり、勢い良く立ち上がり凱と並ばないように、急いで階段を下りようとした。

「そろそろ帰ろうか。怜苑達も・・」

言葉が途切れたのは、後ろから抱きしめられたからだ。

「が・い?」

驚いて振り返ると、そこには凱の顔があり、気付くと唇が触れていた。

「!」

驚いて顔を背けようとしたら、いつの間にか顔を固定されて口付けが深くなる。

「ん・・」
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