羊だって、変るんです。
凱は布団に入ると、直ぐに眠りに落ちた。

『一緒になんて眠れないよ』

気持ち良さそうに眠る凱を、少し恨めしそうに眺めてから部屋を出た。

そっと、ガラス戸を開けて、廊下に座り中庭を眺めると、居間から賑やかな声が聞こえて来た。

夕方から始まった飲み会も、気付けばもう10時前4時間近く飲みっぱなしだった。

『凱も強いんだろうけど、うちの連中は更によく飲むからなぁ』

一番弱い怜苑は始めからビールを中心にワイン少し飲んで、ペース配分をしていたが、後の三人は飲みたい物を好きなだけ飲んでいる。

『まぁペースはゆっくりだけど』

すっかり秋になった夜は、素面の杏奈には少し肌寒い位だった。
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