羊だって、変るんです。
『私がもう少しお酒に強かったら、凱と晩酌とか、バーで飲んだり出来るのに』

飲み会になると何時もどうして、自分だけ弱いのかと思ってしまう。

『無い物強請りをしても仕方ないんだけどね』

「明日も早いしそろそろ寝るか」

スクッと立ち上がり、戸締りをして居間に戻りみんなに寝る事を伝える。

「狼になるなよ」

「!?馬鹿怜苑!」

「はぁ?!兄きに向かってバカは無いだろ!」

「黙れ酔っ払い」

怜苑に向って下を出しながら悪態をついてみる。

『狼になれるもんなら、とっくになってるっての』

「お母さん、ペットボトルの水貰ってくね」

これ以上酔っ払いと話すのは無駄だと悟り、早々に部屋に引き上げた。
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