羊だって、変るんです。
「!?私声に出してた?!」

無意識に答えていた事に気付き、恥ずかしさに一気に顔が火照る。

「初々しいな」

紫苑も同じような顔をしてこちらを見るので、居た堪れない気分になる。

「だから潰してやったのに」

ボソリと怜苑が呟いた。

『え?まさか私の為に凱を酔い潰したの?!』

珍しく気を使われた事に驚き、マジマジと怜苑を見ると、フイと横を向く。

「そうだったんだ」

見上げると凱が苦笑していて、怒っていなかった事にホッとした。

『怒ってないのか・・・良かった』

美味しそうな朝食をやっと安心して食べる事が出来た。
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