読めない彼の愛し方


それからケーキを持って
諒の家に帰った。

佳乃にも連絡をして、

二人でソファに座る。

諒の家はあの時のまま変わらず
彼らしい部屋だ。


「これ。」

と、さらっと指にはめてくれたそれ。

「お誕生日おめでとう。
これからよろしく。」




「…ありがとう。
本当にありがとう。」


「それともう一つ。はい。」



手のひらに置かれたそれは
わたしが一度は手放してしまったそれだ。

「次は返さないで。」

彼の部屋の鍵。






「ありがとう。」

「おいで。」


そういって抱きしめてくれた彼。

あったかくて懐かしいその腕の中で
安心してまた涙が出てくる。


「よく泣くねぇ、ののかは。」


「嬉し泣きだからいいんだよ。」

と笑うと、

「今日は遅いからもう寝よう?
ののか先にお風呂入っておいで。」

と。いつも通りの彼。

「ありがとう。」

そう言ってお風呂に
入らせてもらうことにした。
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