俺にもっと溺れろよ。




ほんと、変わった奴。


思わず笑いそうになったわ......。



なんて、考えている時には、もう前には誰にもいなくなっていた。















──その日の昼休み。






「早瀬先輩!」




後ろからそう、大声で呼ばれた。



俺は、少し驚きながら振り返る。



って、この声朝も聞いた気が......。




「えっ、......南?」





俺の予想は、見事的中する。


そこには、南桃花がいた。




「この子、朔に懐いてるえっと......桃花ちゃんだっけ?」




そう俺より先に、口を開いたのは、幼稚園からの幼なじみの天沢夏輝。


こんなこと幼なじみに言うのもなんだけど、頼りになる奴なんだよな。



......ってか、なんだよ懐いてるって......。



勝手なこと言うなって。




「なんで、わたしの名前知ってるんですか?」




そら、知ってるだろ。



まぁ、俺が知ってる理由なんて、言いたくないけどなと、思っている時......。




「えっ、朔が桃花ちゃんのこと話してたからだよ」



そう、夏輝が少し驚いた顔をしながら答える。



はぁ、夏輝。お前さ......。



......何、勝手に言ってんだよ。



でも普通、あんなに毎日挨拶だったり、告白(?)だったりしてくる奴のこと話すだろ。



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