俺にもっと溺れろよ。
今までの奴とは違う気がするし......。
普通に、俺が話してるとか本人に聞かれるのとか恥ずかしすぎだろ......。
「......っえっ!?」
南は、目を丸めて驚いてる。
いや、驚きすぎだろ。
表情がコロコロ変わって、ほんと飽きない奴だな。
「ははっ。
面白いね、桃花ちゃん 」
朔が面白がってるなんて珍しい。
そんな楽しそうなふたりの会話を見てると無性にイライラしてくる。
なんだよ、これ......。
「あ、あの、お名前は......?」
「そういえば、名前言ってなかったね。
朔と同じ高2の天沢 夏輝。
朔の幼なじみだよ」
ほんと、どこでも爽やかな男だな。
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「それより、桃花ちゃん。
朔に用があるんだよね。」
このふたりの会話に少しのイラ立ちを覚えて、完全にその事、忘れてた。
「は、はい!」
「......なに」
俺に用ってなんだよ。
なんか、俺が落し物したとかか?
そう考えていると......。