陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】

口の端に笑みを見せた白ちゃん。

白ちゃんは、黒藤さんを高く評価しているようだ。

「……それって」

「どうした?」

「……私、には出来ない?」

「海雨の浄化を、か?」

驚いた響きの白ちゃんの応答。それに肯いた。

「もしも……私に出来るのなら、私が海雨を助けたい」

「………」

白ちゃんはしかつめらしい顔で私を見てくる。

私はまだ、ただの人間だ。

生来の力が目覚めつつあるというだけで、本当に陰陽師性の力があるかもわからない。

私に強く出ているのが桜木の血だったら、という可能性もあるだろう。

「……それには、いくつか条件がある」

< 261 / 413 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop