陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】
口の端に笑みを見せた白ちゃん。
白ちゃんは、黒藤さんを高く評価しているようだ。
「……それって」
「どうした?」
「……私、には出来ない?」
「海雨の浄化を、か?」
驚いた響きの白ちゃんの応答。それに肯いた。
「もしも……私に出来るのなら、私が海雨を助けたい」
「………」
白ちゃんはしかつめらしい顔で私を見てくる。
私はまだ、ただの人間だ。
生来の力が目覚めつつあるというだけで、本当に陰陽師性の力があるかもわからない。
私に強く出ているのが桜木の血だったら、という可能性もあるだろう。
「……それには、いくつか条件がある」