THE FOOL





熱いって・・・・熱すぎですよ雛華さん。


一気に沸騰した血が頭に登ってまともな思考を働かせない。


顔を見事に染め上げて心臓は壊れてしまいそうなほど強く早く打ち続けている。


もう何度目のこんな感覚だろう?


雛華さんと出会った時から私は振りまわされて、こんな事になる度に懸念して、そしてすぐに勘違いだと羞恥に沈む。


だからきっと、この行為もそうなんですよね?


私が考えている意味はなくて、ただ何かに対しての探求心が働いて、こんな普通の男女なら酷く危険な一線を平気で崩して近づくんですよね?


そう理解している筈なのに持ち合わせているまともな感覚や女の子な自分が馬鹿みたいにドキドキとしている。


触れる肌がぴたりと吸いつく感覚が扇情的でこれ以上の接触はもう無理だと思うのに平気で破るのがこの人。



「確かに・・・・裸で抱き合うってちょっと気持ちいい」


「・・っ・・・あ・・の」


「こんな風に抱きしめるのも・・・」




言いながら私の体に腕を巻きつけしっかり抱きしめると、その体を横にした雛華さんにつられる。


視点が切り替わって、明るいホテルの部屋を横向きに捉えた瞬間、ひんやりと感じた空気で咄嗟に胸を腕で隠す。


背中から巻きついている雛華さんからは多分見えていない筈。


雛華さんと言えばしっかり私を抱きしめて、私の頭に自分の頭を寄せている。


自分の腹部で交差して絡まる腕がキュッと力を軽く入れて私を抱き寄せて、ドキリとした次の瞬間に首の後ろに唇が触れた。



「・・・っ・・あっ・・」


「・・・!」



思わず胸を必死に隠していた手を口に切り替えて押さえこむ。


今にも心臓が口から飛び出しそうで、死にたいくらいの羞恥心で悶絶する。


思いっきり・・・・、【そういう】声出しちゃった・・・。


そういう事じゃないと頭では分かっているのになかなか順応しない体が正直に捉えて無意識に声を漏らしてしまった。


明らかに違いを示す声の響きは多分雛華さんも気づいていて、いつもならしつこいくらいにその口付けを繰り返す仕草がぴたりとやんだのが証拠だと思う。


どうしよう、どう・・・・言い訳しよう・・・。



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