THE FOOL
ど、どういう状況?
どこ!?
なんてパニックになって周りを見渡したいのに、それすらさせないグリーンアイの威圧にただ溜まり始めていた唾を飲み込んだ。
どうしよう。
全くこの行動の理由が分からない。
だって見知らぬ人ならまだしも彼は茜さんの叔父さんで、少なくとも茜さんに対して悪意を抱いている様に見えなかった。
だからこそ何かの仕返しで私を利用しているという考えは抱きにくくて。
それでも目覚めてこの不利な状況。
引きこもり男子だろうと男の力にはきっと根本から敵わないだろうとさすがに理解しているし、茜さんが言うには彼は【強者】である事も記憶にある。
そんな人に跨られベッドで見降ろされている今。
もしかして・・・・もしかしますか?
決して美人だと自惚れるわけではないですが私も一応分類的には雌なわけで・・・・。
えっ、もしかしてこの手錠に見合った行為しようかと思われてる?
・・・・・絶対に嫌だ。
どんどんあらぬ方へ結論が向かっていき、せめてこれ以上刺激しないように見降ろすグリーンアイの美麗な男に頬笑み返す。
刺激しないように。
それが目的だったというのにその笑みを捉えた彼がその眼を軽く見開いて、私の顔をグッと掴むと自分の顔を近づけた。
う・・そ・・・。
きつく目を閉じ身構えて、与えられるであろう感触を先に頭に思い浮かべて硬直する。
いくら顔が良くても好きでない人とのそれなんて嫌だ。
そんな嫌悪感も抱きながら僅かに震えてそれを待ち受ければ、触れるのは空気の軽い感触だけ。
僅かばかりに息はかかるものの思っていた感触は感じられない。
そろそろと閉じていた目蓋を開けていき、何がどうなっているのかようやく捉えようと前を見れば。
「っ・・・・」
目前に広がるのは見惚れてしまいそうなくらい綺麗な顔。
思わず息を飲み言葉を失う。
顔の距離おおよそ15センチ程だろうか。
その至近距離で何かを確認するように方眉をやや下げて私を覗き込む彼の姿。
「・・・・興味深い」
「・・・・・・は?」
ポツリここにきて彼が響かせた声に間抜けな反応。
だって全く意味が分からない。