目を閉じたら、別れてください。
「そうなんだね」
私としては、仕事でもプライベートでも結婚式の話ばかりは精神的によろしくない。
鼻を押さえながら、苦笑いしてしまう。

「あとネイルどうするんですか? 前日は仕事休まれるとしても、自前の爪ですか? 私の友達が、カラードレス、色仕掛けに合わせて二種類の付け爪作ってくれるみたいですよ」

「へー。ずっと手袋して隠そうかなって思ってたんだけど」
「何言ってるんですか! 指輪交換の時にそこだけ普段の爪って、現実に戻っちゃいます! 今日、時間あるならそのネイルサロン行ってみません?」

「あー、今日は駄目だ。ごめんね」
「……忙しいですね。私にもかまってください」

そういえば、最近泰城ちゃんと飲みに行っていない。
前までは週に2,3回は夜ご飯を一緒に食べていたのに。

……今日はこのあと、進歩さんと式場でテーブルクロスやら花やら、BGMやら決めなければいけない。

予約は20時なんだけど、それまでに仕事が終わるかわからないって言ってた。

新部署はできたばかりで忙しいようで、一緒にいても疲れている様子がうかがえる。

もう少し、落ち着いてからでいいんじゃないのかな。

部署が落ち着いて安定してからでいいのじゃないかな。

それとも、新部署が軌道に乗るのと、私との結婚は連動してるんじゃないか。
そう思うと、素直に聞けないでいる。


< 124 / 208 >

この作品をシェア

pagetop