目を閉じたら、別れてください。
「ならいいけど」
まだ言いたそうだった彼から視線をそらす。病院には行く気はない
あの市販薬が悪い。あの市販薬さえ買ってこなかったら絶対にすぐに良くなった。
車までエスコートされながら、彼が車の座席に手を伸ばした。
「あのさ、ドレスのカラーがまだ決まってねえんだろ」
「なんで知ってるの」
「幹事のやつが、お前の幹事から聞いたって。ドレスの色に合わせて花とか会場の雰囲気合わせるんだから、急がなきゃなんだろ」
「……だって好きな色がとことん似合わないんだもん」
それに何回もドタキャンしずぎて、つぎのドレス合わせは来月だ。
色打掛さえまだ色が決まっていない。
「だから、次の衣装合わせのとき、俺、半休とるから。俺も見るよ」
「げ、いやだ!」
「なんでだよ」
むっとする彼に全力で首を振る。
「絶対退屈。私だって退屈だし!」
「はあ? お前、写真一枚も残さねえくせに。絶対何でも似合うんだからさっさと選べばいいだろ!」
「いやだ。行くなら休む! 絶対に――」
大声を出したら、器官に空気が入ったのか大きくせき込んでしまった。
それを彼が背中を撫でてくれる。