目を閉じたら、別れてください。
へらへら笑う沙也加の後ろで、ダーツをしている二人が見えた。
二階は、壁に星座の形に星が描かれていて、小さなステージとソファが30、小さなバーカウンターは10席、立ち飲み用のテーブル、ダーツ、雰囲気はとても良かった。
「こっちが、好きな人はだいたい吉田さんに取られちゃう井上くん、えーっと桃花の旦那様とは」
「銀行の同期でーす。俺も銀行員です。笹山とは、悪くないんだけど恋愛対象には見られないって振られる同盟です」
「あ、……私は都築桃花です。酔ってますね、井上さん」
はきはきした受け答えだけど、せっかくさわやかでイケメンそうなのに出てくる言葉が子供っぽい。
テンションもどこかハイになってて、間違いなく酔っている。
「いやあ。沙也加さんがお酒強いから釣られて飲んでたら、酔っちゃいました」
「お水飲んでどうぞ。沙也加と井上さん、ありがとうございました。ここ、素敵だと思います」
「だろー! 俺が見つけたの、俺が!」
ワインを抱きしめながら完全に酔っている笹山が、大声で近づいてきた。
もう明らかに分かるぐらい酔ってる奴は、近づいてくるな。