目を閉じたら、別れてください。


「笹山、酔っぱらったらグーで殴るからね。ほら、水飲んでよ」
「……都築さんってどっかで見たことがあるような」

私が水を注いでいで無理やり笹山の口に押し付けていたら、首をかしげて観察された。

「笹山たちとは同じ大学でしたが」
「え、……あー、飲み会でたまに見かけてたっていう酒豪美人?」

残念ながら私はモデルや女優になれるほどの美人ではない。
私より沙也加や泰城ちゃんの方が千倍可愛い。
そんなに飲み会の時は、面倒くさい男たちと話さず黙々と飲んでいたのが印象に残っているのだろうか。

別に話しかけてこないのに、酔っ払いに話しかけるほど面倒なことはしない。

「違います。けどよっしーさん曰く、私が叔父さんと帰っていくのがどうたらこうたらと」
「そうそう。神山も話しかけようとしたのに急に戻ってきてさ。あの人の彼女なら手が出せないってあきらめてたんだよ。でも手を出してる!」

笑い上戸なのか、ソファに座ると両足をバンバン叩きながら笑っている。

「桃花たちは、一応お見合いなんですよー」
「一回破談してるから、恋愛結婚扱いになるんかな?」
「えー、海外に行くから結婚延期していただけって聞いたから、お見合いじゃないの。破談だったの?」
招集がつかなくなってきたので沙也加に目配せする。
すると、バーカウンターの方に手招きされた。

二人はソファ席に放置してカウンターの上のメニュー表を見せてくれた。

「お酒の種類によって、集める会費が変わるんだけど40人以上予約で、幹事と新郎新婦の会費は無料だってさ」
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