目を閉じたら、別れてください。
「へえ。じゃあチューハイの種類増やしてほしいな。こっちはフードメニュー?」
チーズ三種、生ハム、ポテト、サンドイッチ、サラダ、チキンナゲット、と二次会のフードは軽食や冷凍食品中心でちょっと味気ない感じがする。
それでも値段的には良心的だからフードぐらい妥協するべきなのかな。
「笹山さんが、ビンゴ大会したいって張り切ってたけどどうする?」
「うーわー。二次会っぽいぽい」
「二次会でしょ」
くすくすと笑わて、急に実感がわいてきて恥ずかしくなる。
沙也加は私の結婚式の二次会のために頑張ってくれているんだった。
「でも笹山さんも神山商事、井上さんも銀行員、よっしーさんもあんな顔してエリート商社マン。うーん。二次会の女の子の参加率多そう」
「残念ながら女友達はそんなに多くいません。結婚式に呼んでくれた子を呼ぶとして多くて八人ぐらい」
「選びたい放題!」
沙也加の迫力にげらげら笑っていたら、携帯が鳴った。
「もしもし」
『今、駅のタクシー乗り場らへん。笹山と井上に電話がつながらないんだけど』
「ああ、あの二人けっこう飲んでるよ。場所分からない?」
進歩さんの電話に、私は窓辺へ近づく。
駅前は人の波が静まることはなかったけれど、一人こちらに向かっていく人物を一瞬でみつけてしまった。
『今わかった』
小さく手を上げる。
その仕草さえ愛おしいと思うのだから、本当に惚れた方の負けなんだろう。