目を閉じたら、別れてください。
「どうってなにが?」
『お前は、結婚を理想としての相手ならまあ良かったけど、恋愛は無理だったって、義務的なお見合いだったと俺に言ってたじゃないか。あれは嘘か』
「あれー? よく聞こえないなあ。電波が悪いなあ。おかしいなあ」
『桃花』
「電車がくるからもう切るね。じゃあお寿司か焼肉よろしく」
一方的に切った。
叔父さんは自他共に認めるイイ男なので、これ以上は追及してこないだろう。
叔父さんに紹介してもらって叔父さんに本当の理由を言わないのは悪いとは思うけど、デリケートな理由だし。
彼は叔父さんにどう言ったんだろう。
私が嘘を吐いたのに、自分が悪いかのように叔父さんに謝ったのだろうか。
見上げた空は、上弦の月。ほぼ丸い、丸の偽物の形。
ウソツキな私に似ている、歪な月の形をしていた。
叔父さんに会う日か、彼に会う日か。
その日には本当の満月になっているはずだ。
私が悪い。
お願いだから、謝るから、罵倒してくれていいから、――レンアイは終わってますように。