目を閉じたら、別れてください。
「仕事、止めようかな」
「わーん。センパイが辞めるなら私も辞めますう」
「じゃなきゃ暫く渡米する」
笹山がお昼に並んで買ってくれたシュークリームを、泰城ちゃんと食べながらも思い出すのはあの彼の顔だ。
「忘れたいのに」
「本性表した彼は、タイプじゃなかったってことですかあ?」
「うう……」
それに私に好意がある様子が一ミリもない。
なのにあれが嘘なら別れたのも嘘とか言うから。
「私、結構タイプでしたよ」
「うそ!?」
「腹が黒い方が、お互いさまって感じだしい。それに神山商事の御曹司だしい」
二個目のシュークリームを食べながら、泰城ちゃんが頬を染めている。
シュークリームの美味しさに、ではなく。
もしや進歩さんに?
でも泰城ちゃんみたいに可愛い子なら、彼の隣は確かに合うかもしれない。
「泰城ちゃんならコントロールできそう」
「えー。ここは、恋のライバル出現で、自分の本当の気持ちを確認しないと駄目じゃないですか!」
「そうだったの? お似合いだなって思ったけど」