目を閉じたら、別れてください。
どうせちょろいとか簡単な女だなって思ってるんだろうけど、私だってあんたの性格の悪さを知ってるんだからね。
「金曜さあ」
奢ってもらうものかと先に千円出してレジで払っていたら、やんわりと財布に戻された。
なので再び一万を載せて、話題を変える。
「金曜も会ってくれるんだ」
にやつく彼が一万を財布に戻そうとするのでその隙に、彼の政府の中に自分の食べ多分の小銭を入れる。
諦めた彼が小銭を受け取り、一万を返してからわざわざカードで払いやがった。
「金曜は、あそこに行きたい。ゾンビバー。メニューもゾンビっぽくて、人もゾンビで、牢屋の中でご飯食べるんだって」
「あー、お前、好きそう」
「ゾンビのダンスショーもあるらしいの」
「え、見たい」
ノリの良い彼が、楽しそうにクスクス笑う。
その笑顔だけは一年前と何も変わっていない。
意地悪な素の彼の方を、私は惹かれてきているのは否定できなかった。
「お、寄ってく?」
駅までの道で、見つけたラブホを見ながら簡単にそういう彼に、やはり早まったかもしれないと思いつつも、足を踏むぐらいで勘弁してやった。