なりゆき皇妃の異世界後宮物語
(だとしたら、私はなんとしてでも林冲を救わなければいけない。曙光様にお伝えして、死刑を取りやめにしてもらわなければ)


 曙光が今朝方、今香が到着する少し前に、宮中にお戻りになったことは聞いていた。


 まだ間に合うはずだ。


 朝廷に行き、曙光に会うことさえできれば……。


(忠義ある家臣を守れずして、何のための皇后か)


 皇后になることを望んだわけではない。


 莫大な権力も、多くの家臣も、皇帝の正妃であるということだけで、意のままに動かすことができる。


 一平民であった自分に、そんな身分を与えられたことに戸惑いと拒絶感があった。


 けれど、望むも望まないにも関わらず、自分は皇后なのである。


 天江国皇帝を支え、国民や家臣を守る立場なのである。
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