亘さんは世渡り上手
結局、生徒からの票も合わせられ、優勝したのは俺という扱いになった。
不服で仕方がない。
俺は舞台裏で、眉間に寄るシワを隠せないでいた。
「和泉くーん、そんなこわーい顔しなくでもいーじゃーん」
そして、さっきから三好先輩に頬を人差し指でつつかれている。
ウザくて仕方がない。
「あのですね、三好先輩」
俺はその人差し指を掴んで三好先輩の目をじっと見つめる。
おい、くねくねすんな。キモい。
「そもそも先輩が突飛なことしなければあんなことにはならなかったんですよ」
「あんなことって、キミが優勝したこと?」
「……はい。先輩が型を破らなかった勝ちなら納得できますけど……こんなの……」
「なるほどねぇ……和泉くんってマジメなんだ?」
「は?」
「あれは、ただ僕が面白くしようとして自爆しただけだよ。キミの勝ちには変わりない」
俺の手の中にある人差し指が、ぐにぐにと手のひらを押してきた。
先輩は今まで見たことのないくらいの嬉しそうな顔で、にっと笑う。
「うーん、可愛いなぁ。僕の後輩」
「はぁ!?」
手を思いきり開く。
今のどこにそんな要素があった!?
「せ、先輩のそういうとこが、気持ち悪くて嫌いなんですよ!」
「あはは、かわいい~」
「どこ見てんの!?」