愛を私の音色に乗せて。


「お願いします」

「はーい。千翼君はもういいの?」

「はいっ、すいませんでした…」

「じゃあ出発するね」

何と、大野さんが長野県まで運転してくれるとのことです…
スタッフさん達と一緒に行くのが普通みたいなんだけど、

「男の人ばっかりだから、こっちの方がいいと思って」

と、大野さんの配慮でこうなった。
実際、すごくありがたい!

「私の都合で運転させてしまってすいません…」

申し訳なくなるくらい長時間だ。

「そんな謝らないでよ!
これが僕の仕事だし、運転好きだからいいんだよ」

本当、いい人だよね…

「大野さんって優しいですよね〜。
モテモテでしょ?」

「全くモテないよ?!
現に彼女いないしね」

「え!?いてるもんだと思ってました…」

これだけ優しくて、背も高くてイケメンで、
言うことなしじゃん!?

「改めて居ないって言うと悲しくなるね〜」

「…なんかすみません」

「ふはっ、あやまんないでよ!
shionは?千翼君と付き合ってるんでしょ?」

「…んぇえ?!」

まさか自分に話が回って来るとは思ってなくて
思いっきり動揺してしまっている…

「ははっ、その反応は図星かな?」

「…えっと、その…」

「別に隠すことないよ!うちの事務所、恋愛禁止じゃないし。
いつから付き合ってんの?」

「んーと…、4月?5月?くらいですかね…」

「意外と最近なんだね。
幼馴染なら中学の時からとかだと思った」


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