Bloody Kiss♡
一体、何がなんだか分からない。
セトが何のために あたしをさらって、この屋敷に閉じ込めておくのか‥。
彼は、ホントに吸血鬼なのか‥。
姿が人間そのものだから、恐さは感じない。
一風変わった銀色の髪なんて、夜のミナミに行けば いくらでも見掛ける。
デザートを完食し、憂鬱を感じながら「ごちそうさま」を言って、あたしは席を立った。
同時に
「ホルス!」
と、ダイニングルームの向こうから、セトの声が聞こえた。
「はい。ただ今!」
答えながら、ホルスは急ぎ足で廊下へと姿を消した。
あたしも与えられた部屋に戻ろうと、ダイニングルームを後にした。
紫色のカーペットが敷かれた長い廊下の向こう、広いホールにホルスの姿が見えた。