青夏ダイヤモンド
充希が描いたイメージ図を他のクラスメイトにも見てもらい、賛同を得たので買ってきたパネルに充希が下書きで羽の絵を描いてくれて、後は色とりどりのペンキで丁寧に塗る作業となった。
他の作成チームも花飾りを大量に作りハートを型取り始めていたり、膨らました風船同士を貼り付けたりと、カラフルな物が教室中に散らばっていた。
基本的に放課後が文化祭の準備時間となるが、どのチームも、塾や予定などがあれば申告してお互い助け合いながら作成ができているようだった。
乗り気ではなかったクラスメイト達もやり始めたら楽しくなってきたのか、率先してより良くなるような意見を出していた。
元々は知力の高い人達の集まりだ。
方向さえ同じになれば、思いがけない発想も飛び出し、それぞれリーダーらしき人が自然とそのチームを取りまとめていた。
充希のイメージ図を参考に色を塗っていた私と充希を含めた女子は他のクラスがどんな催しをするのかを話していて、当日どこに行くか、ということを悩んでいた。
「充希、沖田くんと回らないの?」
「私は都と回るよ」
充希に気を遣わせているのだと思った。
沖田くんと回りたくないはずがないけれど、私が1人になるのではないかと思って、本音は言えないでいるのだろう。