青夏ダイヤモンド
次の体育の時間も球技大会の練習に割り当てられ、野球に参加する私達はグラウンドで練習を始めた。
ルールもまともにわからない生徒もいるようで、早くも実戦形式でやって慣れろの精神のもと、練習が始まった。
「ピッチャー嫌なんじゃないのか」
私がグローブをはめていると、脩が不貞腐れたような顔で立っていた。
脩と話すのはこの前の体育の授業以来の事だった。
元々用もなければ話をする間柄でもなかったから、おかしな事ではなかったが、何となく避けている節が私にはあったと思う。
「ピッチャーが嫌いなんじゃなくて、今の私が嫌いなんだと思う」
「何だそれ」
「ピッチャーをやっていた時の私はかっこ良かったから。そういうのを思い出して、今の自分を重ねると、すごく惨めに思うの」
「自分でかっこいいとか言うか?」
「それだけ、私にとっては別人みたいな遠い話なんだよ」
何もかも自分で選んできた結果で今の私は構成されている。
岩佐都に劣等感を抱いていたのは事実だし、自分が岩佐都だったことは否定ができない事実。
岩佐都の存在を嫌いながら、同時に鷹野都も嫌う矛盾にいつも葛藤があった。
「鷹野都の中に別人を見ないで。脩は鷹野都が投げたボールを受けて」