御曹司とおためし新婚生活
私の言葉に二人は揃ってきょとんとした顔をする。
けれど、鳳さんは噴き出すように笑って。
「その通りだよ」
やっぱり君のその素直で前向きなとこ好きだなと目を細めると、ふとその表情が和らげた。
「じゃ、俺の大好きな二人にお詫びを。表参道に年末年始あたりにオープン予定のイベント会場がある。東雲不動産が建設してるやつだ。運が良ければ使えるんじゃない?」
「まさか、そこまで知っててやったのか」
「もちろん。好きな子に迷惑だけかけて終わるほど、俺はそんなに外道じゃないよ」
アホウドリだけどねと茶化した鳳さん。
東雲部長が真っ直ぐ私を見つめる。
「行くぞ、向日」
そういうと、私の肩を抱くようにして歩き出した。
いってらっしゃいと手を振る鳳さんに軽くお辞儀をしてスタジオを出る。
問題を起こした人に笑顔で見送られるのも変な話だけど。
というか、さっきの会話で気になることがある私は口を開く。
「部長、あの、もしかして東雲不動産って……」