空を見上げて、飛びたとう
だから僕は、高いところからなら、飛べると思ったんだ。

ここから高いところはたくさんある。

でも、母に聞けば一番高いところがわかる。


「ねぇ、ここから一番高いところはどこ?」

「どうしたの?急に。ここからならあの木が一番高いよ」

「ありがとう。」

母には気づかれないように。

きっと気づかれたらやめなさいと言われるから。

あなたは飛ぶ必要がないと、
僕の存在意義をなくしてしまうから。

鳥は飛ぶことに存在意義があるというのに。

僕は飛びたいから。

木の上に。
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