大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
ーーー「っ、ビョーキなんじゃない?」
しん、と車の音も信号が青をしめす音も何もかも聞こえない、そんな沈黙が私が口を閉ざした瞬間に生まれて、
それで、
すぐに後悔した。
――嫌われる。
千尋に対して出会ってから初めて、いま、そう思った。
だって、それくらいのことを言ったって分かったから。
最低なことを、いった。
本心かと言われれば否定するけど、じゃあ嘘なのかと聞かれたら、うまく頷くことができない。