大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「……放課後デート」
「ん?」
「みたいじゃない?…こういうの」
「俺と虹?あー、世の高校生カップルがしてるやつね、」
「私たちも高校生だよ」
「うん、でも別に付き合ってないよ」
「……うん」
そうだね。
こぼれそうな生クリームを頬張って、頷く。
甘くて、甘くて、だから余計に、恋の酸っぱさが際立っていく。
千尋は、すぐに食べ終わって、丁寧につつんでいた紙をたたんで、パラソルの下のゴミ箱にすてる。
それから、肘をついて、私が食べてるところをぼーっと観察しだすものだから、食べずらくて仕方なくなった。
視線をそらして、クレープに集中する。