大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「…てか、虹、」
「なに?」
クレープを食べ終わって、千尋と同じように包み紙をたたみながら首をかしげる。
そうしたら、千尋は言いにくそうな顔をしながらも、ゆっくりと口を開いた。
「水嶋、―――」
と。
パラソルに備え付けの机の上で、震えた千尋の携帯。
千尋は言いかけのまま口を閉じる。
それから、そっと携帯をとって、画面を見た。誰からの着信か確認したんだろう。
それで。
「でてもいい?」
なんで、私に聞くんだ。
ちょっと不思議に思いながらも、包み紙をゴミ箱に捨てて、うん、と軽く頷く。