大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「……え、」
水嶋くんは呆けてしまった私に、表情をくずして、再び口を開いた。
「なんてね。そういうクサイこと言うべきタイミングなんだろうなーって思っただけだよ。でも俺は言わないし、お腹すいたからはやく屋上のとこ行こー」
今度は甘ったるさのかけらもない、ゆるい口調に、一気に脱力する。
俺にしなよ、なんて一瞬だけでも真面目に受け取って動揺した自分が馬鹿みたいだ。
なんてね。って、そういう軽いノリ。
暇つぶし程度の感覚で、こんな風に心をかき乱されるようなことばかりされたら困る。
「………なんで」
「ん?」
「なんで、こういうことするの?」
「こういうことって?俺は何もしてなくない?ただ、朝比奈と百瀬のことを枢木ちゃんに教えてあげただけだよね」
「今日は頼んでないよ。ふつうはさ、……好き、って分かってるのにわざわざ言わないと思う」
「ごめん、俺は言う派だから」
「………」