大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
本当に、どうしたらこんなにも性格が悪くなれるのだろう。
今から一緒に昼ご飯を食べるのかと思うと、いよいよ、ぞっとしてくるよ。
はー、と溜息を吐き出す。
我慢なんてしなかった。感じ悪いのは、水嶋くんの方だから。
そんな私に、笑ってなかった水嶋くんが、ゆるりと口元に笑みを浮かべる。
「枢木ちゃん。でも、安心して」
「……」
「朝比奈と百瀬が付き合う確率って、俺とあんたが付き合う確率を二乗してルートつけたくらいだから」
どこまでも感じの悪い水嶋くんは、私が数学が苦手なことなんてひとつも知らずにそんなことを言って、先に屋上の階段の方に歩き出した。
「それって結局どうなるの?」という質問には答えてくれずに、その代わり、「朝比奈が数学頑張る甲斐あるよね、ほんと」と馬鹿にしたようなことを言って、くすりと笑った。
水嶋くんのペースにのまれていくような危うさの中、ふと、振り返って、千尋と百瀬さんがいた場所に目を向けたけれど、もうそこに二人はいなかった。