大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
軽音部の後半のステージも終わって、お昼の休憩をはさんで、生徒会の寸劇の後、あっという間に運命のときがきた。
神様が時間の操作をしてるんじゃないかってくらい、瞬く間にやってきた告白大会の時間に、私の心臓はもうずっと、どくんどくん、と大きな音を立てている。
参加する人はステージの裏に待機することになっていて、他の参加者に並んで待っている。
薄暗い、体育館の照明があんまりあたらない場所で、そっと虹色ハートを胸ポケットからとりだして握りしめた。
こんな場所では、何色にも光らないけれど、手のひらの中だったらこっそり光ってくれるんじゃないかな、なんて馬鹿なことを思いながら。
千尋にはメッセージを送ったきり、携帯の電源はつけていないけれど、千尋はちゃんと見てくれただろうか。
もし、体育館にこなかったらどうしよう。
そのことに急に不安がふくらんだけど、たとえ私のメッセージを見ていないにしても、告白大会は大体の人が体育館に集まるような生徒会の企画だから、千尋もきっと友達につれられて体育館にきているだろう。
ステージ裏は、ざわざわとしているけれど、妙な静けさもあって。
その中で、他の人たちの声が私の耳にも届いてくる。
朝比奈くん、という言葉があちらこちらで聞こえてきたから、きっと千尋に告白をするのは私だけじゃないんだって分かった。
もし、私より先に告白をした誰かに、千尋がオッケーをだしたら、私はどうなるんだろう。
そんな心配が一瞬頭をよぎったけれど、今まで一度も告白に対して首を縦には振らなかった千尋だから、きっと今日もみんな振るのだろう。