大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
生徒会長の説明の後に、ついに一番目に告白する人がステージに歩いていった。
髪が短くて少し背の低い男の子だ。
だけどその背中は大きくて、水嶋くんの言葉を半分だけ借りれば、最高にかっこいい、って思った。
「さてー、トップバッターです!!お名前を教えてくださーー―い!」
マイク越しに、大きな声で自分の名前を言う。
その声の震えを、マイクは全部ひろって、体育館いっぱいに彼の声が響いていく。
「では、誰に告白しますかーーーー!?」
彼が挙げた名前は、三年生でいちばん可愛いと噂されている先輩だった。
ステージの裏の幕越しに体育館の様子がみえる。
真ん中付近から、名前を呼ばれた先輩が、ステージに向かって歩き出す。
黄色い声、笑い声、いろいろな声を受けながら、ステージにたどり着いた先輩に、トップバッターの彼は、少しつまりながらも精一杯の告白をした。
だけど、先輩は首を横に振り。
ごめんね、とマイク越しに、ひとつも震えてはいない言葉を彼にあげて、それからステージを降りていった。
振られたんだ。
振られるって、こういうことなんだ。
今まで何度も目にしてきたはずの光景なのに、いざ自分がすることになれば、その悲しさは切に分かる。
とぼとぼとステージ裏に帰ってきた彼は、悲しそうに顔をゆがませていたけれど、どこかすっきりとした表情だった。