大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
生徒会長が近づいてくる。その顔には何一つ緊張も不安もなく、みんな他人事だとこうなのかと思ったら、今から自分がやることが一瞬だけとてつもなくちっぽけなことに思えたけれど、これは紛れもなく、私の人生の歴史に残ることで、ひとつの恋に決着をつける運命のときで、だからほとんどの人にとってはちっぽけなことでも、今私にとっては世界の全部だってやっぱりこんな時でも泣きたくなりながら、虹色ハートを握りしめる。
「ではーーーー!まず!お名前を教えてくださいーーー!!」
向けられたマイクに、震える唇を近づける。
「枢木、虹、です」
頼りない声だけど、マイクのおかげで体育館いっぱいに響いた。
虹ーー!がんばれー!なんて美優の声が、端っこで聞こえる。
水嶋くんもきっと体育館のどこかで私のことを頭がおかしいと思いながら見ているんだろう。
千尋にも、きっと、ちゃんと私の名前が聞こえたと思う。
さっきまでの参加者の時と同様に一気に騒がしくなる空間。
「ではっ、だれに告白するのでしょーーーー!?」
それも生徒会長の一言によって、徐々に静まっていった。
私に、マイクが向けられる。
しん、としたはずなのに、鼓膜はひりひりと痛くて、喉の奥も急に乾いてきて、心臓は爆発寸前で。
終わるんだ、と思った。
いよいよ、もう、終わってしまう。
それで、一度目を閉じたら、
もう、だめだった。