大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】






いろいろな表情が、花びらみたいに降ってきたんだ。





初めて会ったときの、人見知りで、むっとしていた表情。

千歳くんと私と三人で遊んでいたときの、どこか寂しげな表情。

虹色ハートをくれたときの、すこし頼もしかった表情。

二人で遊んだときだけ、ちょっと柔らかくなる表情。

千歳くんと付き合い始めたときの、悲しいほどの冷めた表情。




泣かないで、と抱きしめたときの、私よりも苦しげな表情。

本音を隠して、嘘をつくときの、馬鹿にするような甘い表情。

そばにいてあげる、と言った悲しくて優しい表情。






だめだ、ぜんぶ、降ってくる。






虹ちゃん、って呼ぶ声。

加減も分からないくせに私を抱きしめた腕。

絶対にあわせてくれる歩幅。

何度も見せてきた背中。

私よりも一回りほど大きいと知った手のひら。


頭をなでる、髪に触れる、指。




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