大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
蒸し暑い夏も、夜になると時々涼しい風が吹く。
騒がしい空間から少し離れたところで、濃いソースとお祭り特有の鉄板の焦げ臭さを楽しむ。
半熟の目玉焼きが、麺と絡まって、美味しい。
となりで千歳くんが食べている音がする。
去年は、千尋とお好み焼きを半分こしたことを思い出す。
今年と同じように屋台から離れたところで、くっついて食べた。
今、私と千歳くんの間にある人一人分の距離はなく、身体をくっつけて食べていたんだ。
だけど、くっついてるのに、心の距離は遠くて、半分こしたお好み焼きのようには、こころはまったく半分こして分かち合えなかった。
焼きそばを味わいながら、去年のことをなぞっていたら、千歳くんがふと私の方を向く。
「てか、虹っていつ千尋に気持ち伝えるの」