大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「でも、千歳くん。私は、やっぱり千歳くんのこと、好きだったよ」
「……」
「初恋は、千歳くんだよ。それは、絶対に本当」
好きだった。
最初からずっと、千尋のことが好きだったわけでは絶対にない。
私は、優しくて、いつも手を差し伸べてくれる王子様みたいな千歳くんに、ちゃんと恋をしたんだよ。
だけど、きっと、恋よりも憧れの方が強かったんだと思う。
千歳くんにだけ自分のことを“虹”って呼んで甘えていたのも。たぶんその甘え方は、恋とは違っていた。
手をつないで、ハグやキスをして、身体を重ねて、そういう物理的な行為の先で、憧れが見えなくなって、恋心は自分でも気づかないうちに消えていた。
だけど、本当に恋をしたのは確かなんだ。
答え合わせをしよう、と千歳くんが言ったから、これだけはちゃんと知ってほしかった。
私の言葉に、千歳くんは、珍しく驚いたような表情を浮かべて、それからふ、と気が緩んだみたいに笑って頷いた。
それで、私はやっぱり伝えてよかったと思ったんだ。