大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
結局あのあと、千歳くんの言葉に千尋は最初は断っていたものの、やっぱりお兄ちゃんは一枚上手だった。
千歳くんにうまいこと言いくるめられた末に、『わかった、』と千尋は渋々感満載の返事をして。
それで、自分の家に帰っていった千歳くんの代わりに、しばらくたってから、私の前に手持ち花火のセットをもった千尋があらわれた。
『大丈夫?』、開口一番の言葉はそれだった。
きれいな顔を心配そうに僅かにゆがめて、だけど私の顔が比較的穏やであるのを確認すると、ふと、力を抜くように安堵の表情にかわる。
それから、『よかった、大丈夫だった』と私に聞かせるわけでもなさそうな小さな声で千尋はつぶやいたんだ。