社長はシングルファーザー
お昼休みになり、いつものように食堂で1人ランチ。

「あーすかさん!」と前を陣取る要君は平然と、昔からの知り合いのように座った。

仕事のはなしを軽くしながら、

「夏休みの予定は?」なんて言い合いながら楽しく過ごしてると、

『あの人も笑うんだぁ』みたいな目で見られてるのは感じた。

社長はやっぱり息子さんと過ごすのかなー?なんて話ながら。

けど、今日は社長は食堂に来ていない。

忙しいのかな?やっぱり…もうすぐ夏休みだからやること多いのかしら?

私のそんな想いを感じ取ったのか、

「お忙しいみたいです。あ、よろしければ、例の資料届けてもらえませんか?」と要君は小声で言ってきた。

「わかりました。では、アポをお願いします」と仕事っぽく、要君にお願いしてみた。

「かしこまりました」と要君は言った。

お昼からの仕事を始めて、数時間後、要君からアポ取れたという連絡を受け、私は準備した。

そして、秘書室を訪れた。

「失礼します」と言って中に入ると、

「お待ちしていました」と要君は迎えてくれた。

「社長には連絡しています。車出してくれるそうですので、行きましょう!」と要君に促されて、二人で会社を出た。

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