ばすけ。


しかし…
全道大会見学から
帰ってきて翌日の練習だった…

その日はいつもより
1時間遅い集合時間だった。
声出しランニング、
ストレッチ、
フットワークなどが
終了し、基本練習の
ピボット練習を
している時だった。

「女バス集合」

いつもとは違う
野山先生の声音…
体育館から出て
小さなホールへと
集まった。

「くだらないことをするな」

1年を睨みつける
野山先生の視線。

「お前らがしっかり
 しないからだ」

私達を一通り見回す。

「ミーティングでもしてろ。
 体育館に入る資格もない」

そう言い残し
野山先生は立ち去る。

原因は分かっている。
1年生同士で悪口を
言い合っているのである。
野山先生にも前に
忠告を受けた。
止めるように言ったが
止めていなかった。

しばらく話し合いをしていたが
途端に立場が悪くなると
黙りこむ1年生…

「何やってんの?」

ゆうきが口を開く。

「ウチらの練習時間
 つぶさないでよ」

ちーチャンも口を開く。
そしてうっすらと
ちーチャンの瞳に涙が浮かぶ。
それを見てあやかチャンも
ゆうきも泣き始める。
それを黙って見つめる1年。

―プチン

ウチの中で何かが切れた。



< 16 / 36 >

この作品をシェア

pagetop