冷たい指切り  ~窓越しの思い~
しっかり者のクラス委員のお陰で………

担任は、2日間準備室で楽をさせてもらった。

昼ごはんを屋台に買いにいく以外は………文化祭だと気づかないほど穏やかだ。

今日のお昼は、焼きそばを買いに校庭に行き

初の司会が気になったから………舞台を覗いていた。

いつものテンションより、1.5倍高い彼女を見て

笑顔を振りまいている姿に腹をたて………部屋に帰った。

彼氏が出来れば………と思っていたはずなのに………

男ばかりの開場で……笑顔を見せる彼女が気に入らなかった。

イライラした気分で、廊下を進むと………ドアノブに

昨日、俺がしたのと同じように………ビニール袋がかけてあった。

中を覗くと…………

確認するまでもなく………誕生日にもらった、あのコーヒーだった。

クスリと笑みが溢れてくる。

昨日の行為は、俺だと知らせるつもりはなかった。

変な期待を持たせないために………むしろ分からない方が良かった。と……

思っていたはずなのに………

カルピスを入れたところで………気づいて欲しかったのかもしれない。

女々しい男だとおもうが…………

このビニール袋を見た時、嬉しさと同時に………

まだ好きでいてくれることに………安堵していた。

勝手な男だよなぁ~

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