愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
子供っぽくて、かっこ悪い受け答えだと恥ずかしくなるが、今は心が不安に流されないように耐えるだけで精一杯である。

それで、「ご飯とお味噌汁をよそいますね」と会話を切り上げ、逃げるように台所の暖簾をくぐった。

フランス語で語らうふたりの弾んだ声が、居間の方へと遠去かる。


やっぱり恋人同士なのかな。

久しぶりの再会に喜ぶのは、当然だよね……。



夕食を始めて一時間ほどが経つ。

桐島さんとエマさんが並んで座布団に座り、私は座卓を挟んだ向かい側。

座卓の上には卓上コンロが置かれ、土鍋が温かな湯気を立ち上らせている。


エマさんは私の作った料理をペロリと平らげても、まだお腹に余裕があるみたいで、桐島さんが絶品だと話した私のおでんに興味を示し、食べたいと言ったのだ。

あり合わせの材料で拵えたおでんなので、少し寂しいけれど、喜んで食べてくれるのは嬉しい。


ふたりは、帰宅時に買ってきた日本酒の中瓶を飲んでいる。

私も勧められたけど、アルコール全般、喉が焼けるような気がして苦手なので遠慮した。

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