愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
けれども、『守ってあげたくなる』との言葉には、幼く見られている気がして引っかかりを感じてしまう。

そう思うのは、大人っぽくなりたいという願望を抱いているためだろう。

桐島さんと話していた秘書の水上さんや営業部の女性社員を目撃したからなのか、今日の午後はそれをいつもより強く感じていたのだ。

隠さず正直にその気持ちを打ち明ければ、「なるほど。だからこの服を見ていたのか」と、やっと腑に落ちたように桐島さんが頷いた。

にっこりと弧を描く灰青色の瞳。

「それなら着てみればいい。買ってあげるよ」と彼が私の肩を抱く。

そして、ファッションビルの入口に向かおうとするから、私は慌てた。


「そんなつもりで言ったんじゃないんです! 記念日でもないのに、こんな高価な服を買ってもらうわけにはーー」


拒否の言葉は途中で遮られる。

「交際二カ月記念日だ」と楽しそう言った彼は、いつになく強引に私を連れて、高級ブランドのブティックに足を踏み入れた。
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