愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
「いらっしゃいませ」と上品な笑顔で対応してくれるのは、この店の服を上手に着こなしているスタイルのよい女性店員である。

気後れと緊張で体を硬くする私に対し、桐島さんはごく自然な口調で店員に希望を伝えた。


「私の恋人に、ショーウィンドウに飾られているワンピースと、他に何点か似合う服を見繕ってください。大人っぽい印象のものがいい」


「かしこまりました」と店内の中央にあるハンガーラックの方へ歩き出した店員。

一瞬だけ見えたその横顔は、なにかを考えているように微かにしかめられていた。

服のチョイスを悩んでいるだけならいいけれど、桐島さんが私のことを恋人と言ったから、そこに疑問を持たれたのではないかと勘ぐってしまう。

素敵な大人の男性である桐島さんの恋人が、貧相な小娘の私であることを不思議に思われても仕方ない。

そこに腹を立てたりしないけれど、店員の反応を見て、ブランドものを買ってもらうことへの遠慮は薄らぎ、代わりに是が非でもこの店の服を着なければという挑戦的な気持ちが湧いてきた。


服装を変えれば、私だって少しは大人っぽく見えるはず……。

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