愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
そこからは、運ばれてきたスイーツを食べながら聞き役に徹する。

亜美ちゃんの大学生活と大手広告代理店の下請け会社に就職した話を聞いて、しっとりとした深い味わいのガトーショコラを楽しんだら、あっという間に四十分が経過した。

「ご馳走さまでした」と空になった皿に向けて手を合わせると、彼女がクスクスと笑う。


「有紀の“いただきます、ご馳走さま”の合掌、懐かしい。ちっとも変わらないね。なんか安心する」


テーブルに頬杖をついた彼女にじっと見つめられて、私の頬は熱くなる。

「セーラー服、まだ着れるんじゃない?」とからかわれもして、さらに恥ずかしい気持ちになった。


私だって少しは成長しているつもりだけど……という反論は心の中だけで。

「亜美ちゃんは綺麗になったね。高校の時も可愛かったけど、今はもっと。メイクも上手で羨ましい」と彼女を褒めた。


それはお世辞ではなく、本心である。

声をかけてくれなかったら、私からは気づけなかったと思うほどに彼女は綺麗になった。

すると、「努力したもの。これのために」と胸を張るように背筋を伸ばした彼女が、得意げに微笑んで、顔の横に左手の甲を掲げる。

彼女の左手の薬指には小粒ダイヤの指輪が輝いていて、私は「あっ」と驚きの声をあげた。

「結婚したの!?」と問えば、「それはまだ。来年かな。今は婚約中なんだ」と嬉しそうに教えてくれる。
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