愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
本当は困ることを言われそうな気がして、今すぐここから出ていきたい心持ちでいるけれど、あからさまに避けるのは角が立つので、仕方なく浮かせた腰を椅子に戻した。


「その弁当、小川さんの手作り?」と話しかけられて頷くと、「彩りが綺麗で美味しそうだ。君はいい奥さんになれるよ」と褒められた。

私が頬を熱くしたら「可愛い」とからかわれ、さらに火照る顔を隠すように両手で覆えば、「ウブだな」と嬉しそうな声で評価される。


「そういう初々しい反応がたまらない。小川さんは理想的だ。俺の彼女になって。彼氏、いないんだろ?」


ど、どうしよう……。

三日前の金曜日に、ここで告白された時は恋人がいるからと断ったが、信じてもらえなかった。

今、交際相手の有無を再確認されたけれど、なんと返事をすればいいのか……三日前よりも困っている。

桐島さんに社内では秘密にしてくださいと頼んでおきながら、私から暴露するわけにいかない。

社外の人と交際していると言えば、嘘をつくことになり、それもためらわれる。
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