愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
二度のノックの後にドアが開き、入ってきたのは、広報部の一本気さんだった。

彼は手にコンビニのレジ袋を提げていて、その中にお弁当らしき容器とペットボトルが入っているのがわかる。


「小川さん、お疲れ様」

「お、お疲れ様です……」


笑顔で声をかける彼を見て、もしかして、私を探してここへ来たのかと緊張が走り、椅子から腰を浮かせた。

「ここ、使うんですね。すぐに出て行きますから」と逃げようとしたが、私の隣の席にレジ袋を置いた彼に引き止められる。


「昼食を取るだけだから気にしないで。俺、たまにここで食べているんだ。小川さんがいたとは、嬉しい偶然」


広報部はひとつ下の階で、そこにも似たような会議室があるというのに、彼の話は本当だろうか……?

疑いの目で見てしまうが、目尻に皺が寄るほどの笑みを向けられると、つられて私も口角を上げてしまう。

「座りなよ。一緒に食べよう」と彼は私の右隣の席に腰を下ろし、コンビニの焼肉カルビ弁当を袋から取り出した。


「は、はい……」
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